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2010年10月27日 (水)

二十四 1/2(ハーフ) 亥の刻

   このにぎやかな晩餐会の中、

  大統領の居るテーブルだけ、冷ややかな空気が流れていた。

 
   ―― 「おい、何しに来た、そのまま、あっちへ居ろ!」
  
  ジャックは、近づいてきたトニーに慌てた感じで言った。


  トニーは、ジャックを無視して、さらに大統領に近づいた。

  
  そして、大統領の間近に立ち、険しい視線を大統領に向けて投げつけた。

  
  大統領もまた、トニーをじっと見ている。


  ジャックは、激しい焦りを胸に、その状況を見ていた。


  「君は、さっきから私を険しい目で見ていたようだが・・」

  大統領が、先に口を開いた。


  「・・・・・」

  トニーは、未だ口を開かず、じっと大統領を見ている。


  「しかしながら、私は君とは、面識が無いと思うが・・」

  大統領は、さらに続けて、言った。


  「・・・・・」

  トニーは、黙って大統領の言葉を聞いている。


  「なにか、私に対して、言いたいことでもあるのかな?」

  大統領は、いったてポーカーフェイスで、トニーに問いかけた。


  「ああ、確かに俺は、あなたと面識は無い」

  トニーが口を開き、強い口調で言った。


  「・・・・・」

  今度は、大統領トニーの言葉を黙って聞いた。


  「しかし、ミッシェル・アルメイダという女性を知ってらっしゃいますか?」

  トニーは、なにやら一人の女性の名を口にした。

  
  「ミッシェル・・・ はて?」

  大統領は、その名を頭の中で探してみた。


  「それは、俺の妻の名前です」

  トニーは、その名の正体を告げた。


  「そうなのか、だが君の妻と私が、どう関係あるのかね?」

  大統領は、トニーに問いかけた。


  「妻は昔、あなたの配膳係りをやっていた」

  トニーは、静かに語り始めた。


  「ほう」

  大統領は、相変わらずのポーカーフェイスで、トニーの話を聞いた。


  「しかし、ただ一度のミスで妻は、その仕事を辞めさせられた」

  トニーは、険しい目をしながら話しを続けた。


  「私の記憶には残っていないが、そんなことがあったのか」

  大統領は、表情を変えずに、トニーに問い返した。


  「たった一度のミスで、あなたは、妻の首を切ったんだ!」

  トニーは、強い口調で、大統領に食って掛かった。


  「おい! もうやめろ! ここはそんな話しをする場じゃない!」

  ジャックが、見るに見かねず、トニーを制止しようとした。


  だが、トニーは、ジャックを無視し、鋭い視線を大統領に投げ続けている。
  

  「なるほど、そうだったのか」

  大統領は、口を開いて言った。


  「・・・・・」

  トニーは、さらに険しくなった目で大統領を見ている。

  
  「だが、君たち夫妻に、私の食事を世話してもらうことは、もう二度とないだろう」

  大統領は、静かにそう告げた。


  この大統領の言葉に、トニーは、今にも殴りかからんばかりの、険相になった。


  この状況を間近で見ている、ジャックは、もう心臓が飛び出さんばかりだ。


  「だが、しかし・・」

  大統領が、またなにやらトニーに語りかけようとした。


  「・・・・・」

  トニーは、険相をしたまま、大統領の口から出る言葉を聞いた。


  「君たちが、存分に腕をふるえる場所を紹介しようと思うのだが、どうかね」

  大統領は、表情を変えず、なにやら提案してきた。


  「・・・・・」

  トニーは、その大統領の言葉に少々、意表をつかれた。
  

  「それは、ジャパン国にある、まんまるという店だ」

   

  大統領は、とある店の名を口にした。


  トニーの視線は、大統領を突きぬけ、遥か遠くを見つめた・・・

  
  「ジャパン・・・    まんまる・・・」
  

  
  
  ―― 時がたち、華やかな晩餐会は、幕を閉じた。

  会場のホテルから、一人の男が出てきた。 

  その後ろから、走って、別の男が追いかけてきた。 


  「おーい、トニー

  前の男は、後ろを振り向いた。


  「今日は、手伝ってくれて、助かった・・・と言いたいところだが」

  ジャックは顔を曇らせて、トニーに言った。


  トニーは、その言葉にちょっと申し訳なさげな顔をした。


  「場所をわきまえて、行動してくれないと、困る」

  ジャックは、怒った顔でトニーに言った。


  「すまない、ちょっと感情的になっちまった」

  トニーは、ジャックに謝罪の言葉を述べた。
  

  「おかげで、こっちは、大統領の秘書からオオメダマだ」

  ジャックは、怒った顔を崩して、笑みを浮かべた。


  「本当に、申し訳ない」

  トニーは、所在なげな顔で謝った。


  「しかし、よかったじゃないか、また腕をふるえる場所が見つかって」

  ジャックは、笑顔で語りかけた。


  「まだ、大統領を許したわけじゃない・・・」

  トニーは、真剣な顔になってしゃべりだした。


  「だが、今はなにか、晴れやかな気持ちでいっぱいだ」

  トニーは、かるく笑みを見せながら言った。


  「そうか、頑張れよ」

  ジャックもまた、なんとも晴れやかな気分になって、友にエールを送った。


  「ありがとう」

  
  
  二人の頭上には、キラキラと輝く星をちりばめた、

  夏の夜空が延々と広がっていた。
  


    
       つづく・・・
  

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